獣医師推奨!セキセイ・オカメ別【餌の選び方】ペレットを食べない子のための最終手段
「うちの子はこれでいいのかな?」「シードは好きだけど、ペレットは食べてくれない…」
インコを飼育している多くの飼い主さんが抱える悩みのひとつが、餌の選び方です。インコは犬や猫に比べて寿命が短い傾向にありますが、その健康と長寿は餌の選択に大きく左右されます。
この記事では、「インコ 餌 選び方」の基本となるシードとペレットのメリット・デメリットを徹底比較し、愛鳥にストレスをかけずにペレットに移行するための具体的な4ステップを、専門家の視点から詳しく解説します。
インコの寿命を延ばす餌の選び方:基礎知識
インコの飼育において、最も重要な決断が「何を主食とするか」です。現在、餌は大きく分けて「シード食」と「ペレット食」の2種類があります。

シード食のメリットとデメリット
シード(種子)食は、ヒエ、アワ、キビなどを中心とした、インコにとって嗜好性の高い餌です。
| メリット | 深刻なデメリット |
| 味が好きでよく食べる(嗜好性が高い) | 脂肪分が過多になりやすい(ヒマワリ、麻の実など) |
| 価格が安価で手に入りやすい | ビタミンA、カルシウムが決定的に不足する |
| 栄養バランスが偏り、肝臓病や肥満の原因となる |
特に、シード食のみを続けていると、インコは好みの脂肪分の多い種子ばかりを選んで食べ、栄養失調に陥りやすくなります。健康診断で「肥満や脂肪肝」を指摘された場合、餌の見直しは必須です。
ペレット食が総合栄養食として推奨される理由

ペレットは、穀物、ビタミン、ミネラルを粉砕し、加熱・成形した総合栄養食です。
- 完全栄養: 必要な栄養素が均一に含まれているため、ペレットと水さえあれば理論上は他に何も必要ありません。
- 病気の予防: 栄養の偏りによる病気(痛風、脂肪肝、卵詰まりなど)のリスクを大幅に減らせます。
インコの健康を左右するカルシウム:リン比率(Ca:P比)とは?
インコの健康、特に骨格や卵を形成するために重要なのが、カルシウム(Ca)とリン(P)の摂取比率です。
シード食はこの比率が極端に崩れるため、慢性的なカルシウム不足となり、産卵期のメスでは卵詰まりを引き起こすなど命に関わることがあります。ペレットは、この理想比率に調整されているため、非常に安全性が高いといえます。
インコをペレットに切り替える正しい4ステップ
インコは非常に警戒心が強く、急な餌の変更はストレスや絶食につながる危険があります。以下の4ステップで、愛鳥に負担をかけず、確実にペレットへの切り替えを進めましょう。
ステップ1:シードとペレットを別皿で提示(慣らし期間)
まずはペレットを「危険な食べ物ではない」と認識させることから始めます。
- いつものシードとは別の餌入れにペレットを少量入れます。
- 数日間、インコがペレットの存在を認識するまで放置します。インコが食べているフリをするだけで実際には食べていないこともあるため、フンの量と体重を観察しましょう。
ステップ2:ペレットの粉末化とシードへの混ぜ込み
インコは嗅覚よりも味と食感で餌を判断します。
- ペレットをすり鉢などで細かく粉末にします。
- 粉末にしたペレットを、いつものシードに少量(スプーン一杯程度)まぶして与えます。
- インコはシードを食べる際に、ペレットの粉末の味や匂いに慣れていきます。
ステップ3:シードの段階的な削減と観察
インコがペレットの味に慣れてきたら、シードの量を徐々に減らしていきます。
- 切り替えペース: 理想は1週間〜10日ごとに、シードの量を全体の10%ずつ減らすことです。
- 観察ポイント: 毎日の体重測定とフンの量・色をチェックしてください。体重が急激に(5%以上)減少したり、フンの量が明らかに減ったりした場合は、絶食のサインです。すぐにシードの量を戻してください。
ステップ4:切り替え成功とハイブリッド食の管理
ペレットを主食(餌全体の8割以上)として食べるようになったら成功です。
- ハイブリッド食: 残りのシードは、ご褒美やおもちゃとして与える程度(全体の1〜2割)に留めましょう。完全にシードを排除する必要はありませんが、あくまで主食はペレットであることを徹底します。
インコがペレットを食べない時の安全な対処法と最終手段
切り替えを始めても「うちの子は頑として食べてくれない!」と悩む飼い主さんは多いです。ここでは、安全性を保ちながら切り替えを促す方法を解説します。
切り替え中に食欲が落ちた場合の安全ラインと観察ポイント
インコは数時間絶食しただけでも命に関わります。以下のサインを見逃さないでください。
| 危険なサイン | 対策 |
| 体重の急激な減少 | 2〜3日以内に元の体重の5%以上減ったら、すぐにシードの量を元に戻す。 |
| フンの量が少ない | 絶食のサインです。フン切り網の上でフンの量をチェックし、半日以上フンがない場合はすぐに加療する。 |
| 羽を膨らませて動かない | 体調不良や低血糖のサインです。すぐに保温し、獣医師に相談する。 |
【獣医師監修】ペレットを拒否する子への強制的なアプローチ方法
長期間(数週間)にわたり、体重減少が続く場合は、自己判断せず鳥専門の獣医師に相談することが必須です。
- 最終手段: 獣医師の指導のもと、シードを抜いた状態(絶食状態)にして、ペレットを食べるまで待つという「強制的なアプローチ」を取る場合がありますが、これは必ずインコの体重と血液検査結果を把握した獣医師の指示のもとで行ってください。
モチベーションを上げるためのペレットの種類と味変テクニック
インコの嗜好性に合わせた工夫も有効です。
- 味を変える: 最初は無着色のシンプルなペレットから、フルーツや野菜のフレーバーがついた「味付き」のペレットに切り替えてみる。
- 食感を変える: ペレットをぬるま湯でふやかしてソフトペレットのようにして与える(ヒナのさし餌のような食感)。
- 形状を変える: 粒の大きいペレットを砕いて与える、または棒状のものから粒状のものに替えるなど、インコが遊びやすい形状を試す。
種類別・ライフステージ別:インコの餌の量と調整
インコの餌の量は、種類と体重、そしてライフステージによって異なります。
セキセイインコとオカメインコの餌の量(体重比)
一般的なインコは、**自分の体重の約10%**の餌を毎日必要とします。
- セキセイインコ(約30g〜40g): 1日あたり約3g〜4gが目安。
- オカメインコ(約80g〜120g): 1日あたり約8g〜12gが目安。
餌入れに常にある状態は肥満につながるため、「一度空になる時間」を作り、量を調整することが大切です。
ヒナ(さし餌)の餌の選び方と卒業時期
ヒナには、栄養バランスに優れた**ヒナ用フォーミュラ(パウダーフード)**をぬるま湯で溶かして与える「さし餌」が基本です。
- 卒業時期: 生後30日〜40日頃を目安に、シードやペレットをケージの床に撒き、自分で食べる練習を促し、徐々にさし餌を卒業させます。
発情期・産卵期のメスに必要な栄養(カルシウム補給)
メスインコは、発情期や産卵期に大量のカルシウムを必要とします。
- 危険性: カルシウム不足は卵詰まりを招き、短時間で命に関わる重篤な事態になります。
- 対策: この時期は、ボレー粉(カキの殻)やイカの甲羅(カットルボーン)を必ずケージ内に入れておき、いつでもカルシウム補給ができるようにしてください。
インコに与えてはいけないNG食材リスト
インコは小さな体で、人間には無害なものでも命に関わる中毒を引き起こすことがあります。
中毒の危険があるアボカド・ネギ類・チョコレート

これらの食材はインコにとって毒です。絶対に与えないでください。
- アボカド: 含まれる**「ペルシン」**という成分がインコの心筋細胞に作用し、呼吸困難や突然死を引き起こします。
- ネギ類(玉ねぎ、ネギ、ニラなど): 血液中の赤血球を破壊し、貧血を引き起こします。
- チョコレート・カフェイン: インコの神経系に作用し、心拍数増加やけいれんを引き起こします。
脂肪分が多いシードやおやつを控える理由
ヒマワリの種やナッツ類は、嗜好性が高いためご褒美には最適ですが、脂肪分が非常に高いです。
与えすぎの具体例: 毎日の主食の代わりにこれらを与え続けると、高確率で脂肪肝や動脈硬化を引き起こし、インコの寿命を著しく縮めます。あくまで「ご褒美」として、少量に留めてください。
まとめ:愛鳥の健康のための餌選びを
インコの「餌 選び方」は、シード食からペレット食への移行が、愛鳥の健康と長寿を叶えるための最善策です。
この記事で解説した4ステップや、食べない時の対処法を参考に、ぜひ今日から少しずつ餌の切り替えにチャレンジしてください。餌選びに迷った際は、鳥専門の獣医師に相談し、定期的な健康診断と連携を取るようにしましょう。
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